2021_SMILE_アイ建築_36号
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弘道館江戸時代後期に作られた日本最大規模の藩校。多くの藩士が学んだ総合大学は、梅の名所としても親しまれる。茨城県/水戸市三の丸こう どう かん 弘道館は、水戸藩第九代藩主の徳川斉昭が優れた人材の育成を目指して天保12年(1841年)に建てられた日本最大規模の藩校。敷地内には正庁と至善堂を中心に、学問を学ぶ文館、武術を修練する武館、医学館、天文台、馬場、調練場と総合大学のような施設として構成され、多様な科目が教えられていた。 その後幕末の動乱期を経て、明治5年(1872年)の「学制」発布により弘道館は閉鎖され、県庁舎や学校の仮校舎として使用。幾度の戦火を免れた正門、正庁及び至善堂は昭和39年(1964正庁の玄関正面にある諸役会所は24畳の広さがあり、来館者の控えの間として使用された。床の間の「尊攘」の掛け軸は、斉昭の命により水戸藩の藩医で能書家で知られた松延年(まつのべねん)により書かれた。■ 名  称 : 弘道館■ 年  代 : 1841年(天保12年)■ 建築様式 : 木造書院造御殿■ 指  定 : 国指定重要文化財(正門、正庁、至善堂)■ 公開時間 : 2/20~9/30  9:00~17:00 10/1~2/19  9:00~16:30■ 休館日 : 12/29,30,31■ 所在地 : 〒310-0011 茨城県水戸市三の丸1丁目6‐29■ 電話番号 029-231-4725URL : https://www.ibarakiguide.jp/kodokan.html年)に国の重要文化財に指定され、往時の姿を今に伝えている。 現在は、藩校当時の建造物が現存する館内を歩きながら水戸の学風に触れ、徳川慶喜が幼い頃に学び大政奉還の後に恭順謹慎生活を送った至善堂も見ることができる。 また、弘道館には数多くの梅が植えられており、斉昭はその理由を種梅記碑(弘道館公園内)に刻んでいる。厳冬の中いち早く咲く蝋梅や斉昭が愛したいく種もの梅は、毎年2月下旬頃から見ごろを迎え梅の名所として多くの人々に親しまれている。ろう ばい36SMILEHOUSE & LIFESTYLE MAGAZINEVOL.2021年6月発行株式会社アイ建築工房 〒080-2459 北海道帯広市西19条北1丁目5番15号TEL.0155-67-1116 FAX.0155-41-8815

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