2022_インプライ春号アイ建築
23/23

HOUSE&LIFESTYLEMAGAZNEVOL.39SMLE株式会社アイ建築工房 〒0802022年3月発行TEL0155671116 FAX01552459 北海道帯広市西19条北1丁目5番15号418815I I.--.---東十条駅王子駅上中里駅尾久駅上ラ野イ東ン京線京埼318449307王子稲荷神社王子生協病院あらかわ遊園七社神社 東京都北区にある渋沢史料館内にある「晩香廬」。晩香廬は渋沢栄一の喜寿を祝って清水組(現清水建設)四代目当主、清水満之助が謹呈した建物である。名前の由来は渋沢自作の漢詩「菊花晩節香」からと言われている。設計は清水組五代目技師長の田辺淳吉。大正6年に竣工されたこの建物は赤い瓦葺きの平屋建てで西洋の山小屋をイメージさせる。 外観は土壁仕上げで煉瓦タイルがアクセント、ランダムに文様した敷石など小さな建物ながら材料や意匠を吟味し、細かな所まで凝った造りとなっている。土間から入ると談話室があり、特に談話室は渋沢のお気に入りで、国内外の来賓を招き、91歳で亡くなるまで民間外交の舞台ともなった。談話室は新しい茶室建築と評され、腰壁や随所にある石膏細工等その左官技術には驚く。特に目を引く暖炉は見事である。落ち着いた漆黒調のタイルで組まれ、渋沢の喜寿を祝った「壽」の文字が映える。ランプシェードやテーブル等の調度品もこだわりを感じ、大正の建築技術の粋が感じられる。日本近代経済の祖 渋沢栄一の喜寿を祝して清水組が竣工、当時の渋沢と政財界の人々の会話が聞こえてくるような新しい茶室建築。ばん こう ろ右:談話室 穏やかな船底天井、萩の茎をあしらった腰壁など西洋風茶室の風情。目を引く暖炉には渋沢の喜寿を記念に「壽」の文字が施されている。■ 名  称 : 晩香廬(ばんこうろ)■ 年  代 : 大正6年(1917年)■ 建築様式 : 木造瓦葺き平屋建て■ 延べ床面積 : 約72㎡■ 指  定 : 国指定重要文化財■ 公開時間·休館日:公式WEBサイトにてご確認ください■ 入館料 : 一般300円・小中高100円■ 所在地 :東京都北区西ケ原2-16-1 渋沢史料館内 ■ 電話番号 : 03-3910-0005 渋沢史料館URL :https://www.shibusawa.or.jp渋沢史料館提供晩香廬晩香廬東京都/北区

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る